2019/12/31
事業承継の種類
事業承継の種類
事業承継にはご子息など親族(身内)に承継するケースと、それ以外のケースに大きく分けられます。また親族以外に承継するケースでは、社内の人間(役員や従業員など)に引き継ぐケースと外部の第三者に引き継ぐあるいは売却する(M&A)ケースに分けられます。
【親族への事業承継】
特に中小企業や株式の非公開企業では最も多いケースだといえます。しかし近年では少子化や考え方の多様化により後継者がいない場合や、後継者たり得る身内はいるが能力に不安があるといった話をよく伺います。また後継者として任せられる身内はいるが、事業承継後に身内同士でのトラブルやもめ事などが起きないかといったご心配もあるかと思います。
メリット
- ・従業員や取引先など関係者から受け入れられやすい。
- ・事業承継の準備期間を確保でき、時期についても柔軟に対応できる。
- ・後継者に対して経営理念が承継しやすい。
- ・会社の所有者と経営者が分離する可能性が低い。
デメリット
- ・後継の候補者に承継の意志がない、あるいは能力が不足している。
- ・後継の候補者が複数いる場合、後継者の決定や経営権の集中が難しい。
- ・事業承継を計画してから実施するまでに、時間がかかる場合が多い。
【社内の人材への事業承継】
親族に適格化がいない場合や、身内に事業承継の意思がない場合に社員への承継が考えられます。企業文化を保てるなどのメリットと、承継する側が資金を用意できない場合があるなどのデメリットが考えられます。
メリット
- ・意志や能力を把握している複数の人材から選ぶことができる。
- ・従業員や取引先など関係者から理解を得やすい。
- ・業務内容や業界の慣習などを熟知しているため経営の一体性を保てる。
デメリット
- ・後継候補者に事業承継のための資金力がない場合が多い。
- ・改善・改革が必要な場合にしがらみなどでできない可能性がある。
- ・銀行融資の連帯保証などクリアしなければならない問題がでてくる。
【第三者への事業承継(M&A)】
近年増加している事業承継の方法です。比較的短期間で事業承継できたり、売却によって創業者の引退後の資金を確保できるなどのメリットがあります。
メリット
- ・後継者の教育が必要ない。
- ・事業継承にかかる資金の心配がない。
- ・後継者を幅広い人材から求めることができる。
デメリット
- ・事業承継先を見つけることが難しい。
- ・培われてきた企業文化や理念を継承・維持することが困難である。
- ・売却後の喪失感などで、前経営者の方が後悔されることがある。