弁護士費用や予納金の確保
会社の自己破産をするには、弁護士費用と裁判所への予納金を準備する必要があります。
しかし、会社の資金繰りに困っている状況だからこそ破産をすることになるわけですから、破産をする状況では、現金を準備することが難しいと感じることが多いと思われます。
それでは、現金や預金が底をつきかけている会社がどのようにして、弁護士費用や裁判所への予納金を確保したらいいのでしょうか?
これについては、まずは、①現金や預貯金が一番貯まるタイミング(一般的には支払いが集中する日。手形の決済日や金融機関への返済日、大口取引先への支払い日。給与の支払い日)で支払いを停止するように計画します。
そして、その後、②支払い停止日から近い売掛金について、回収が比較的容易な売掛金から回収します。
ただし、売掛金の回収にあたっては、売掛先が、会社が支払い停止状態にあることを理由に売掛金の支払いを拒ばまれることがあります(法律的にいえば、お金を貸す方であればまだしも支払いをする方からすれば、相手が信用不安に陥っていることは支払いを拒む理由にならないことがほとんどだと思われますが)。
また、税金や社会保険料の滞納がある場合、滞納処分といって税務署や市役所、社会保険事務所から売掛金を差し押さえられてしまい、売掛金を回収できないこともあります(通常の債権者であれば裁判を経ずに突然差押えをすることはできませんが、租税等の債権については滞納処分といって、いきなり差押えをすることができるのです。税務署等は、税務申告によって、会社の売掛金先の主要なところを把握していることが想定できます)。
また、売掛金がない、すなわち小売業のような現金商売をしている会社の場合は、③安売りセール等を行い保有している在庫を最大限現預金に変えるという方法をとることが多いです。
さらに、事業を継続する前提では考えられなかった資産の売却、すなわち④加盟金や出資金、営業に必須の設備等の財産を処分することで、現預金を用意するということも考えられます。
このようにして、会社の自己破産をする場合、どのようにして弁護士費用と予納金を用意するかは、その会社の置かれている状況によることは当然ですが、一般的には、売上と支払いのタイムラグを利用するか、在庫を処分する、事業を継続する前提では考えられなかった資産を売却する等して、一時的に現預金を用意するしかないということになります。
このことをベースに逆の視点から考えると、最も現金と預金が大きくなるタイミングで支払停止をして、かつ一定の売掛金回収をしたとしても、弁護士費用と予納金を準備することができない状況になる前に、自己破産について弁護士に相談しなければ、会社の自己破産をすることはできないということになります(親族等から援助金を出してもらうなどしない限り)。
そこで、会社の自己破産を考えなければならないが、まだ事業継続の道も模索したい状況であるという会社の経営者の方、もう自己破産をするしかないと考えているが、会社にはお金はなく自己破産をするにもお金がかかるとなるとどうしたらいいのかわからない、すなわち弁護士費用や予納金を用意するにはどうしたらいいのかわからない、というお悩みを持たれている方は、弁護士費用や予納金の捻出についても弁護士が力になりますので、まずは一度弁護士法人高田総合法律事務所にご相談ください。