会社の自己破産 取締役・監査役の責任

2021/01/27
会社の自己破産 取締役・監査役の責任

取締役・監査役の責任

 
会社が自己破産をする際に取締役であった者、もしくは監査役であった者の責任というのはどうなるのでしょうか?
 
取締役は、会社の倒産についての責任を追及されるのでしょうか?責任を追及される可能性があるとしたら、それは会社からでしょうか?それとも、会社の債権者からでしょうか?
 
結論からいうと、s会社の取締役や監査役は、会社が倒産してしまったからといって、連帯保証している債務の責任追及以外に、その地位にあったことから責任追及を受けることはあまりありません。
 
確かに、取締役とくに代表取締役は、会社の業務執行について責任をもって行なわなければなりません。
 
しかし、会社が事業に失敗してしまい倒産してしまったというのは、あくまで結果であり、その結果が生じてしまったことから取締役や監査役に法的責任が発生するということに直結するわけではないのです。
 
むしろ、取締役の法的責任が追及されるというのはめったにないことであり、例えば、取締役に「どう考えてもひどい経営判断のミス」があったり、個人的な利得のために会社を利用したといえるような場合等くらいといえます。
 
このように、実務的には倒産した会社の取締役が責任追及を受けることはまれですが、理論的には、取締役は、会社の業務執行に関する意思決定を行ったり、その意思決定をする取締役会のメンバーであるため、後ほど損害賠償等の責任追及を受けないように慎重な判断が求められます。
 
また、取締役が会社の倒産が必至であると認識した後に行った取引で、第三者に損害を与えた場合には、第三者から損害賠償請求等の責任追及を受ける可能性もありますので注意が必要です。

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