【離婚相談】
・離婚するためには、どのような手続がありますか?
離婚するための手続きとしては、主に、1 協議離婚、2 調停離婚、3 裁判離婚があります。
まず、協議離婚とは、夫婦間で離婚の合意がある場合に、離婚届に必要事項を記入して市役所に届出を行い、その届出が受理されれば、離婚が成立するというものです。
次に、調停離婚とは、夫婦間の話合いで離婚の合意が困難な場合に、家庭裁判所に調停の申立てを行い、調停委員を介した話合いにより離婚を成立させることをいいます。日本の法律では、夫婦間の話し合いによる離婚の合意ができない場合にも、この調停手続きを経ることなく、いきなり離婚を求める裁判を提起することはできないこととなっており(調停前置主義。家事審判法18条。)、夫婦間の話し合いによる離婚の合意ができない場合には、原則として、まずは家庭裁判所に調停の申し立てをしなければなりません。
さらに、調停手続きを経ても離婚の合意が得られない場合は、離婚の裁判を提起することができます。裁判離婚では、民法770条1項に定められている離婚原因が認められれば、相手が離婚に応じる意思がない場合でも離婚が認められます。離婚原因としては、①不貞行為(配偶者の不倫など)②悪意の遺棄(正当な理由なく、夫婦関係を断絶させたり、同居・協力・扶助の義務を履行しないこと)③生死が3年以上明らかでないこと④回復の見込みのない強度の精神病⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由が存在すること、が規定されています。
・離婚をするにあたって、合意する事項としてどのような事項がありますか?
通常、離婚をするにあたって決めておくべき事項として、以下のような事項が挙げられます。
1 (未成年の子がいる場合)親権者、面接交渉
2 (未成年の子がいる場合)養育費
3 財産分与
4 慰謝料
・離婚する際に問題となる「財産分与」というのはどのようなものでしょうか?
離婚に伴う財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が共同で形成した財産を、離婚に際して分与することです(民法768条、771条参照)。
・「財産分与」は、どのような基準で行うものなのでしょうか?
財産分与の額及び方法は、当然のことながら、当事者の合意によって決めることができます。しかし、当事者の協議が整わず、家庭裁判所が定める場合には、財産分与の額及び方法は、夫婦双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して定められるとされています(民法768条3項)。
当該条文だけでは、どのような基準で財産分与の額及び方法が定められるかは、明らかではありませんが、実務では、例えば、一方が家事従事者であっても、特段の事情がない限り、夫婦財産形成に関する貢献度は等しいとする、いわゆる2分の1ルールが採用されることが多いようです。
・「養育費」は、どのような基準で決めるものなのでしょうか?
実務的には、「東京・大阪養育費等研究会」が作成した養育費算定表に従って、算定されることがほとんどです。 養育費算定表については、
・離婚に伴う相手方配偶者に対する慰謝料は、どのような場合に請求できるのでしょうか?
慰謝料とは、離婚による精神的苦痛に対して支払われるお金のことです。
離婚することになった原因を作った配偶者に対して、他方の配偶者が慰謝料の請求をすることができます。慰謝料は、離婚の際に必ず支払われるものではありません。どちらかが一方的に悪いわけではない場合には、慰謝料請求はできません。また、原則として離婚が成立してから3年を経過してしまうと、時効により慰謝料を請求できなくなってしまいます。
・離婚に伴う慰謝料は、いくらくらいが相場なのでしょうか?
慰謝料の金額はさまざまな事情を考慮して決定されます。離婚の原因となった行為、結婚していた期間の長さ、相手の収入等により大きく異なります。
裁判上の慰謝料は、100万円から300万円が相場と言えますが、大きく上回ることも下回ることもあります。慰謝料がいくらになるのかは、裁判所に納得してもらえるような主張ができるかどうかが重要になってきますので、専門家である弁護士に相談するのが得策です。
・夫の不倫が原因で離婚しようと考えています。夫からは慰謝料を支払ってもらう予定ですが、それとは別に、夫と不倫していた相手方にも慰謝料を請求することはできますか?
はい、できます。
損害を受けた配偶者は、配偶者と不倫相手に対して、精神的苦痛の慰謝料として、損害賠償を請求することができます。相手からアプローチした不倫か、夫からアプローチした不倫かに関係なく、不倫と言う行為自体が違法なものですので、慰謝料の請求が認められています。