過払い金返還請求とは、端的に言うと払いすぎた借金の返済分を債権者(貸金業者)に返還するよう請求することです。
正確には不当利得返還請求といいます。
過払い金は、過去に完済した借金、長期間返済をしているが現在も残債が残っている借金の場合にも債務者が知らないうちに過払いとなってしまっているケースがあります。
また、債務整理を行う過程で過払いが発覚するケースも多々ありますので、もしかしたらと思われる方は、ぜひ一度弁護士法人高田総合法律事務所の法律相談(初回無料)をご利用ください。
過払金とは
過払金とは、借り入れた借金とその利息を返済しているうちに、本来返済すべき利息以上に返済をしているために、本来払うべき利息で計算をし直すことで、お金を返済しすぎている状態となっていることがあり、その払い過ぎたお金のことを過払金といいます。
典型的には、消費者金融からの借り入れやカード会社からのキャッシングの利息が利息制限法の法定利息よりも、高利率の利息であった場合に、その本来払うべき利息より高い利息で計算された借入金額を長期間にわたって返済することによって、本来払うべき金額と請求を受ける金額との間に大きな差が生じ、過払金が発生するのです。
例えば、あなたがA社から150万円を借り入れたとします。
150万円を借り入れた場合の利息制限法上の上限利息は、年利15%ですが、A社は年利25%の利息を取っていたとします(後に「過払い金発生の仕組み」のところで説明しますが、平成19年ころまでは大手の消費者金融会社は、上限利息以上の利息で貸し付けていました。)。
あなたは、A社に毎月4万円を返済していたとすると、A社から請求を受ける金額(すなわち年利25%で利息を計算した金額)を全て返し終わるのに、約6年半かかります。
しかし、全て返し終わる時点で実際に利息制限法上取ることができる利息に計算しなおすと、約100万円の過払金が発生していることになるのです。
過払金が発生する仕組み
過払い金が発生する理由は、一言でいえば、「法律上とることができる利息」より「約束している利息」のほうが高いからです。
すなわち、「約束している利息」で計算すると、借金が残っているもしくは、借金がゼロと思っていたのに、「法律上とることができる利息」で計算しなおすと、借金を返すどころか、払いすぎたお金を返してもらうことができる、ということです。
利息制限法上の上限利息は、以下の通りです。
- ① 元本の額が10万円未満の場合 年20%
- ② 元本の額が10万円以上100万円未満の場合 年18%
- ③ 元本の額が100万円以上の場合 年15%
ところが、平成19年に改正貸金業法が施行される以前は、大手の消費者金融などは、上記の利息制限法上の上限利息より高い約定金利を取っていました。
そこで、平成18年ころ以前から、借り入れがある方は、お金を払いすぎていて、過払い金がある可能性があるのです。
このページをご覧の皆様の中には、例えば、元本が90万円で、仮に約定の金利が25%だったとしても、上限金利が18%なので、年間に7%、すなわち6万円強の差しか生じないのだから、過払い金が生じる可能性は低いのではないかと思われる方もいらっしゃるのではないかと思います。
しかし、約定金利を前提とした毎月の返済により元本が減ってくると、それにかかるはずの利息も加速度的に減っていくこととなります。
すなわち、長い間取引すればするほど、加速度的に本来の債務額と消費者金融業者の計算による債務額のかい離が大きくなっていくので、過払いきなる可能性も大きいのです。
また、いったん過払い状態になると、その時点から、消費者金融業者からすれば「借入残高がある前提で約定金利に基づき計算」する一方、こちら側からすれば、「利息を払うどころか、逆に請求することができる過払い金にも法定利息の5%を付加して請求することができる」ことから、「本来の債権・債務額」と「消費者金融業者の計算による債務額」の差がものすごく大きくなっていくのです。